REPORT・BLOG
🌟〈ことのはなプロジェクト〉公演振り返り⑴
天地をつなぐさすらいの
ハヤサスラ
~地水火風の旅~
◉〈ことのはな プロジェクト〉本公演無事終了
二つのプレ公演を経て(仙台4/27、那須4/30)、 6/9、那須・奏身舎にて本公演が開催され、
二十五絃箏とオイリュトミーのコラボに加え、今回、初めて映像作品が加わった。
〈オイリュトミー ×二十五絃箏 × 映像 〉
当事者の私たちすらも、最終的な仕上がりが全く未知のまま(でも不安は不思議となかった)迎えた6/9公演本番は、直前に「地水火風」の書もコラボに加わった!
当日は、奏身舎という響きの空間で、出演者と参加者の魂が響き合い、音、動き、色、映像・・
魔法のような濃密な雰囲気を醸し出していた。
映像とオイリュトミーのコラボは、初めてだったが、第三部のシェア会での反響は予想以上のものだった!
公演から1週間経ち、自分なりに、今回の公演を振り返ってみた。
〈第一部 体験会〉
「天」という言葉も「地」という言葉も「頭では知って」いる。
しかし、本当に実感しているだろうか?
知識としてではなく、心で思えるだろうか?
また、この言葉がどんな概念を指し示しているのかを、確かに掴むのもなかなか難しい。
第一部〈体験会〉が始まった時、ちょうどしっとりと雨が降っていた。
「天地を」を「あめつちを」と言い換えてみる。
すると、雨が土に染み込むような、柔らかさと自然さがある。
「あめ」という語には、「天」「雨」「海」・・の三つがあり、天から降ってきた雨の雫が、川に流れ大海へと合流する・・・
「あめつちを」・・は、そんな「めぐる命の物語」を感じさせてくれる語。
それを母音で体験していただいた。
そして子音で「地水火風」を体験し、水 ,風の両方に流動する特性が、日本語ではどちらも「子音S」で表現されていることに気づく。
そのS音は、根底(ねそこ)の国を彷徨う「さすらいのハヤサスラ」の名前の中にも響いている。
そしてSの形は川の蛇行、風のそよぎ、背骨の形、静けさの音。・・これらの形象として現れているのだ。
さらに、
天と地を結ぶ「道」=TAO を箏の音で体験していただいた。
天の領域にまで広がる清らかな音の響きは、今度は
大地の一部である、自分の内部へ取り込まれて、体の中にまで浸透する。
この「わたし」こそが天と地を「橋渡し」する存在なのだ。
その秘密が、音を通して明らかになり、リアルな体験になってゆく。
◉天地を結ぶ、箏による音体験
箏による音楽オイリュトミーでTAOをインターヴァル体験すると、
くどくど説明しなくても、理屈抜きで、ハートで感じられ、腑に落ちるが素晴らしい。
実は、箏そのものが「天地をつなぐ楽器」と言われているそうだ。
その「天地をつなぐ」箏を使ってのコラボ公演「天地をつなぐ、さすらいのハヤサスラ」・・
このテーマは、我ながらぴったりだったと思う。
そしてその箏は、「伝統」からより自由に羽ばたく可能性を持つ「二十五絃箏」だからこそ、この体験が可能になったのだ。
◉他者との「協奏・共創」
芸術体験による癒しの力
今、地の球である「地球」を旅し、生きている私たち。
今回の〈ことのはなプロジェクト〉①の体験を元に、さらに世の中へ広げる活動へ、未来に向けてしっかり繋げてゆきたい。
〈ことのはな〉6/9本公演、プレ公演、共にアーカイブ視聴が購入できるようになりました。
(第一部・第二部のみ。30日間)
▼リンク先はこちらです。
https://peatix.com/event/4019955/view
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🌟TAOを全身で感じる
◉「あめつちの」雨が土に染み込むよう・・
いよいよ、公演まであと数日となりました。
天と地をつなぐ…と言うと、何だか難しく聞こえますが、「あめつちの」と、言い換えると、とても柔らかく、自然な感じがしますね。
「あめつちの」は、
古事記冒頭や万葉集にも枕詞として多く歌われています。
それを、第一部の体験会では、母音によるオイリュトミーで体験します!
◉陰陽の調和「「TAO=道」
老荘思想で知られる「TAO=道」という言葉は、陰陽の調和を大切にする思想です。
大きいものと小さいもの
陽と陰
明るいものと暗いもの
相反する両極を結ぶ、「TAO=道」の本質も音楽や言葉のオイリュトミーで体験することができます。
🌟仙台プレ公演終了_参加者からのご感想
4月27日は、渋谷が講師を務める、おひさまの丘宮城シュタイナー学園の共催により、プレ公演を開催、連休中にも関わらず、熱意ある方々が参加されました。
チラシ作成や準備など、学園の皆さまには大変お世話になり、心より御礼申し上げます。
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学園の木工教師、藤原茜先生デザインによるプレ公演チラシ
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◉参加者からのご感想
【めぐるいのちの物語】
「オイリュトミー×二十五絃箏×映像という体験会と小公演、交流会に参加しました。
第一部で
十三絃の箏と二十五絃の箏による五音階と七音階の世界観の違い、つまり
穏やかで優しくあたたかな小さな世界から、多彩な広がりと煌めきの大きな世界を体験した後
母音のひとつひとつの音の意味と響きや
子音をあらわす火風水土のエレメントを
身体でまるごと感じるオイリュトミーを体験。
世界の様々なあらわれが、自分と響きあいながら存在し、
と同時にひとつでもあり、参加したみんなとも響きあっていることを理屈抜きで感じる。
「わたし」という広がりと、収束と、循環と永遠。
そんな体験をしたからこそ
第二部のオイリュトミー×二十五絃箏の公演が
「観る」ということを超えて体験になる。
「風」「火」「水」「土」を通して
「自我」が本当の自分を求めて 循環し、変容の物語を体験していく。
二十五絃箏による世界の中で身体が言葉となり歌となる。
呼応しあっているのが美しい。
詩の朗唱やうたの響きが空間を満たし
とても美しく振動している。
そんな公演。
そして三部へ。
公演が終わった後も、その音や動きや響きが
そのまま会場の中に残存していて
それを想起させるため、
内側でそのエネルギーが立ち上がるための
映像というあらたな表現を生む。
その解説があった後、
みんなで自分の体験をシェアしあう。
・・・・・
そんなとても豊かな時間でした。
オイリュトミーは渋谷智栄子さん
二十五絃箏は小澤 千絵子さん
そして映像は近清武さん
この三人による、「本当の自分を生きる」をテーマにした
作品を創作、映像化し、未来に伝えるプロジェクト。
参加者が鑑賞するだけではなく、
「体験し」「感じる」というワークショップがあることで
より深くその世界を自分ごとで感じられると思いました。
そう、そこにあるのはいのちの物語。
ところで、近清さんは
いのちの光をあらわす、内的宇宙と大きな宇宙が呼応する
「COSMOS~光との約束~」を制作された方。
以前Com.Labでインタビューさせていただき、
九州糸島の「いのちのお祝い会」でもお会いしています。
久々にお会い出来てとっても嬉しかった~!!」
及川徳子さんのFB記事より、掲載させて頂きました。
🌟那須プレ公演終了_参加者のご感想
4月末にプレ公演が仙台4/27と那須4/30にて無事終了しました。
◉【演じる者と観るものとの境界線を外す体験】〈那須プレ公演4/30ご感想〉
「和歌や詩で母音を味わい、13絃の音色の中でより深く五音階の世界を感じることができました。
作品の「水」の1部を動いたこと、TAOを何度も動いたことが、
演じる者と観るものとの境界線のようなものを外してくれ、
自分も作品に入り込めたような気持ちでした。
地・水・火・風に境があるわけではなく、一人ひとりが地・水・火・風となって、地球(宇宙!?)を感じる一体感はオイリュトミーならではの体験だなと思います。
「わたし」という響きには、UとA, TとAの 両極が内在していて、Sがそれを結びつけるのか・・と改めて感動しました。(天と地をつなぐ箏の音のようですね!)
ワークショップを通して、何かしらの気づきを持って芸術を観る。
そしてそれを共有したり、他の人の感性に触れたり、新たな世界に出会えた時間でした。
小澤さんが表現しようとしている多彩な音色や行間など、実際に目で見て感じることができたのは、大きな刺激になりました。
「風」「火」「水」の詩はどこからの引用ですか?
渋谷先生がカーテンの奥で歌われたことに、私は陰影を感じ、小澤さんとの対の演出が良かったと思いました。
本公演での映像の発表も楽しみにしております。
(渋谷先生の動きが正面向きよりナーゼナッハや回転のフォルムが多かったのが印象的でした)
田崎和美さんより
(宇都宮オイリュトミークラス「ひばりの会メンバー」、ピアノ講師)
地水火風の旅〜内なる世界と外なる世界を結ぶために【天地をつなぐ さすらいのハヤサスラ】
〈ことのはなプロジェクト初公演〉は、
「地水火風」を旅する物語です。
*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*
天地をつなぐさすらいのハヤサスラ
~地水火風の旅~
◉地水火風とは
「地水火風」とは、大自然の中にある要素です。
・大地、岩などの固まる要素
・川、海などの水の流れの要素
・燃え盛る炎や、熱の要素
・空気や霧などの気体の要素
これらに四つの「地水火風」の状態が見られます。
そして、
それらは、実は私たちの内面においても「気質」として働いています。
地球の構成要素が、地球に住む私たちの心の中にも
「気の働き」としてあるのです!
◉地水火風と気質
ではどのように、働いているのでしょうか。
・大地や硬い岩のように、固まる気持ちや心
・水のように、ゆったり、変わらず流れる心
・炎のように、瞬間に燃え、熱くなる心
・風のように、流れて果てしなく広がる心
このような四つの性質が、人によって、偏りを見せたり、組み合わせが異なったりしています。
シュタイナー教育ではこの「気質」を調和の中で、育てることを大事にしています。
地球の構成要素が、人間の中にも構成要素としても働いている。
人それぞれ、
構成のあり方が異なるのは、与えられた使命や役割が異なるからと言えましょう。
◉外にある地水火風は、
内なる心にもある
四大が外なる大自然だけではなく、
内なる自分の心の中にもある。
外にあるものは、内にもあるのです。
そのように感じると、自然や人間との関係性が、より親密に感じられます。
また、自分に与えられた四つの要素を、パレットの絵の具のように、
自在に生かし、かけがえのない人生において、
自分だけの美しい絵を描いていきたい!
心からそう、思うのです!
四つの要素を活かすためには、地水火風の特質を知り、
調和させつつ、内外を結ぶことが大切になります。
◉外と内をつなぐために
〜調和を通して結びつける〜
では、どうしたら、内・外の世界を、生き生きと繋いでいけるのでしょうか。
シュタイナーやオイリュトミーを学ぶことは、
この「内と外を有機的に調和の中で結ぶこと」でもあると思うのです。
心や体の健康を保つためにも
内と外が調和していることが大切ですね。
◉世界との一体から分離へ
幼い子どもたちは、内面世界の中で生きています。
そこでは、石ころも、雲も、花も、虫も、擬人化され、一体となっています。
しかし、9歳を機に、内なる世界と外なる世界が別れるのです。
客観的な意識の芽生えとともに、もはや、大自然は、「物質」としか見えなくなってしまう。それは、覚めた意識であり、理性とも言えます。
世界との分離を体験したことで、「自我」は目覚め、意識的になれるのですが、
「孤独」を感じたり、自他を分ける時期に深く傷つくことで、
自分の殻に閉じこもってしまうこともあります。
◉目覚めた意識で異なるものがつながるには?
目覚めた、独立した自我を持ちながら、
再び、他と繋がってゆくことが、地球の環境を守るためにも、いろんな民族と平和を維持するためにも
人間自身の自我の成長のためにも、大変重要だと思うのです。
目覚めた意識を持つ人間にとって、ただ、幼児のように世界と一体となることではなく、
改めて、自分の心と、自然、宇宙はリンクしているということ。
それを、読み解き、扉を開くための「鍵」が必要になります。
鍵となるのは、高められた「感覚と感情」です。
◉感覚と感情を高める
私たちは五感を働かせ、外側にあるものを知覚し、様々な印象を抱きます。
そして、感情を通して、自分がどう感じているかを知ります。
嬉しい、悲しい、懐かしい、素晴らしい、恐ろしい・・などの感情が湧いてきます。
感覚が麻痺してしまったり、
感情が氷のように冷えて動かないと、また、粗雑な感情だけだと、
自分の内面と外側の世界を調和を通して結ぶことができません。
だからこそ、芸術的な教育がとても重要なのですね。
芸術創造を通して、感覚が繊細に働き、そして感情も豊かに育ってゆくからです。
しかも、芸術創造は、繰り返すことで、上達し、喜びが増します!
◉天と地
「内なる心の世界」と「外なる客観世界」は、言い換えると
「天と地」とも言えます。
私たち人間は、この二つの両極の中で、必死にバランスをとりつつ、今を生きているのです。
天・・精神的、聖なる天上世界
地・・現実的、物質的地上世界
地上に生きている私たちにとって、
天と地がつながるのは、
感覚と感情の扉を、調和の中で開くときであると言えましょう。
特に、芸術的な体験を通して繋がったときに、無上の喜びが湧いてきます!
頭も心も体もまるごと用い、
その中に、真善美が感じられるとき、
隔たった二つの世界が融合します。
◉ハヤサスラは天地を結ぶ、芸能の神
「天地をつなぐ、さすらいのハヤサスラ」は、
地上と天上を結ぶ、芸能の神の象徴でもあります。
地上界に生きている私たちが
聖なる世界とつながるために、橋渡ししてくれるものが「芸能」であると言えるでしょう。
*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*
◉公演のご案内
~~オイリュトミー&二十五絃箏 コラボレーション~~
〈映像:6月本公演で発表〉
天地をつなぐ さすらいのハヤサスラ
~地水火風の旅~
地球を愛し、旅するすべての人へ
私たちと一緒に、心の旅路に出ませんか?