History

 〜「ことのはなプロジェクト」誕生の経緯 〜 

 

 

 

🔵 Ruli's Story  瑠璃(小澤 千絵子)

 

*・゜゚・*:. 瑠璃から見た「ことのはな」誕生物語 .:*・゜゚・*

 

 

◉ 箏の演奏活動で長年感じてきた問い

 「人生の本質に対し芸術ができることとは・・?」

 

芸術体験は楽しいものであり、癒しでもあり、ときに感動に満ちているが、私たちはまた同じ日常に帰っていく。

人生は人生、芸術体験は、非日常空間でのひとときの癒しに過ぎないのだろうか?

 

体験するすべての人にとって、人生と芸術が不可分に一体になること。

 

それによって、その人の人生を本当の意味で充実させ、より意味深く、より力強く生きることができるようになること。

人生それ自身の中に輝きを見出せるようになること。

 

芸術はそのような力になり得るのではないだろうか。

 



渋谷智栄子との出会い

「人間の芸術」求め、合同練習スタートへ

 

始めの出会いはウェブサイト上の文章であった。渋谷智栄子の運営する「イシスの会」のことを説明した彼女の文章から、ただならぬ輝きが私の心に飛び込んできた。その後、実際にレッスンに通い、次第に親しくなり今に至るまで、彼女から出る輝きには今まで感じたことのない魂の喜びと充実がある。

 

私にそれだけの感動を与えたものはいったい何だろう。

 

それこそが、私が長年求めてきた「人生と芸術の接点」だった。

 

音楽(音)、身体、言葉、色や形などへの徹底的な研究と考察は、細部に至るまで、彼女の深い人生経験と人間理解で貫かれ、その表現の細部には「悩み、苦しみ、もがき、迷いのある人生の中でどう生きるべきなのか」といった誰もが共通にもつ人生の本質に、寄り添い共に生きる、人間の息づかいがあった。

 

彼女の表現に触れる人は、そこから人生に持ち帰るヒントを受け取ることができる。

 

このエッセンスを私の今後の表現活動に必要なものとして学んでいきたい。その意味で、少しでも彼女の表現や活動に触れていたい。その思いが実り、合同練習会がスタートした。

 

初めて2人での練習を行ったのは時を遡る2012年。その頃は数回一緒に練習したのみで、様々な外的状況が整い定期的な合同練習が実現したのは2018年から。渋谷の拠点である、那須・奏身舎にて。




異なる芸術形式により同じもの指し示すことで、本質への直感を促す」

ーこのコラボの真髄ー

 

芸術家として、理想であり憧れでもある渋谷の制作過程を共に体験できることは至福の喜びであるが、練習を重ねるうちに、私たちコラボ独自の特徴やスタイルのようなものが徐々に浮かび上がってきた。

 

そのひとつは、私たちが「一致」という言葉で呼んだ内的同一性だ。芸術とは目には見えず耳には聞こえない本質を指し示すものであるが、私たちは練習を重ねるごとに、箏を通し、オイリュトミーを通し、細部に至るまで内的に同じもの、ぴったりと揃ったものを指し示すことができるようになってきた。その作品自体が指し示す本質はなんなのかを徹底的に研究し、その共通理解に基づいて、同じ本質を描くことができるよう作品の理解を擦り合わせた。

 

通常演者と伴奏者という形を取りやすいオイリュトミーと楽器演奏の関係性だが、私たちの場合、それぞれの役割の分業や、主従関係ではなく、それぞれが箏の演奏とオイリュトミーという全く異なる手段を通し、ぴったりと同じ本質を描く。

 

そのことで、見る人には箏でもなく、オイリュトミーでもなく、その描かれた本質、その指し示された内的な内容の方をそれぞれの力で直感する。次第に私たちの作品は、見る瞑想のようだと思えるようになってきた。

 

 

映像化を希求

「時空を超えて、この素晴らしさをもっと多くの人に届けたい」

 

次第に私はこの作り上げた作品が、一瞬にして儚く終わってしまうことに憤りを感じるようになった。また、どれほどエネルギーをかけて作り上げても、限定された人数の人にしか見てもらえないことも、残念でならなかった。

 

いつしか、必ず映像化して残すものを作ろうと思うようになった。映像化に向け、サポートしてくれる人、タッグを組んでくれる人が現れるのを待った。程なくして近清武(琥珀)と出会うのである。

 

 

◉近清武の登場

想像もしていなかった新たなる飛躍生まれ、三本の矢となる

 
近清の登場により、2人のコラボで目指していたものに更なる明確な方向づけと飛躍が生まれた。
そして生まれたのが「ことのはなプロジェクト」だ。3人での歩みが始まり、映像制作だけでなくイベントや発信活動においても力強い方向性が育っていった。

 

 

 

 

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🟢 Moegi's Story 萌黄(渋谷 智栄子)

 

 *・゜゚・*:. 萌黄から見た「ことのはな」誕生物語 .:*・゜゚・*

 

 

◉ドイツ生まれの「オイリュトミー」と和楽器「箏」の出会い

 

私が専門とするオイリュトミーは、百年前、ドイツのシュタイナーによって生み出された言葉や音の響きを舞う新しい身体芸術。

四十年ほど前に、西洋から日本にもたらされたアートだが、元々、古来より、日本には「言霊」「歌」の文化が息づき、それらは「聖なるもの」と人を結ぶ架け橋の役割を担っていた。

一方、「二十五絃箏」は、日本の伝統的な和楽器の13絃の箏をさらに進化させ、5音階ではなく、西洋音階の7音階に開発された楽器。「箏」は古来、神事で使われていたという。

オイリュトミーと二十五絃箏は、どちらも「古くて新しい」「西洋と東洋が融合した」芸術なのだ。

 伝統がベースにありながらも、既成概念には容易く収まりきれないところがあるのも共通している。

この二つが、今ここで出会ったら、どんな芸術世界が生まれるのだろう?

 

 

◉いのちを言祝(ことほ)ぐ芸術をコラボで

 

古さと新しさ西洋と東洋

音と言、箏と舞

主観と客観

それらが結び繋がる豊かな神話の世界

いのちを言祝(ことほ)ぐ芸術

頭 心 体、全部、まるごと使って生み出したい・・・

 

そんな思いから、私と二十五絃箏演奏家、小澤さんとの練習が、約十年前の2012年頃から始まった。

 

 

◉オールソウルズディでの出演

   ー死者と生者を結ぶ祈りのイベントでコラボレーション

彼女の渡英で一旦練習は中断されるが、帰国と同時に再び練習再開、世阿弥の世界をテーマにした曲「錦木に寄せて」や、星をテーマにした「スバルの七ツ」を練習する中で、

「オールソウルズデイ」(死者と生者を結ぶ祈りのイベント)で、コラボ作品を演じ捧げる機会を得た。(2019那須、2020仙台)

のちの「地水火風」に連なる作品「水」「火」の2作品は、

2020年3月ティアラ江東にて「ヌーベルミューズ(タブラ、シタール、箏のユニット)」主催のコンサートでもコラボ出演させていただいた。

 

 

◉闇から光へ切り替わる「冬至」、運命の出会いー映像の近清武監督

そして2021年、闇から光に切り替わる頃、奏身舎での冬至合宿に参加された近清 武 監督と出会い、合宿終了後にアニメ作品「 COSMOS」を見せて頂き、深く共感。

そのアニメは、科学を土台に精神世界をテーマにしたもので、両者のつなぎとして「歌」が大事な役割を担っていた。

漆黒の宇宙から輝く星が生まれるように、わたしたちの心も、闇と向き合うことで、初めて、乗り越える確かな力が与えられるというテーマ。

(実は、私自身、遡ること2005年に 同じテーマで初ソロ公演「闇から光へ」を黒磯と三鷹で上演している)

 

◉初コラボ開催「闇から光へ」2022年2月

この出会いをきっかけに、意気投合した3人によるイベント「闇から光へ」

オイリュトミー公演とアニメ上映会コラボ開催の運びとなった。

         オイリュトミー.  二十五絃箏. アニメ上映会

             <舞>     <音>    <映像>

 

古代より、人は、原言語である「うた」を通して大自然や神々の聖なる世界と呼応し、闇に対峙する力を与えられてきた。

「見える歌」と言われるオイリュトミー、古くて新しい二十五絃箏(小澤千絵子)歌、アニメ作品コラボが織りなす初の試み!!

 

奇しくも、その後の「ことのはな初公演」でも「歌」が大事な役割を果たすこととなったのだ。

 


◉22年10月「ことのはなプロジェクト」スタート!

そこから約半年後、3人による「ことのはなプロジェクト」の胎動が始まり、「地水火風」をテーマに作品制作が始まる。

23年6月に「水」を、12月に「火」を撮影し、24年7月に「土」9月に「風」・・・今もなお制作続行中。

 

 

◉24年アウトプットの始まり

「さすらいのハヤサスラ〜地水火風の旅」というタイトルで公演開催。色照明、書道の作品、映像作品などとの組み合わせが斬新だった。

 「地水火風」の詩の朗唱や、歌「流るる水のあはれ世の・・」もあり、祝詞に出てくる「ハヤサスラヒメ」は天地をつなぐ、「芸能の神様」。サスラが私たちを導いてくれたのだろうか。

 ・4月末 仙台、那須にてプレ公演

 ・6月9日 奏身舎にて、本公演 

 ワークショップ、公演、シェアリングという3部形式での試みは、より社会の中へ開かれた芸術創造を、というこれまでの願いを充すものだった。

 

◉芸術による高次の「認識と体験」

 芸術体験を通してのみ、人はより高みへと認識の翼を広げ、真に羽ばたくことができる。

そのための社会芸術の創造を、これからのプロジェクトを通してつくりあげ、世の中に広めて行きたいと思う。

 

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🟠 Kohaku's Story  琥珀(近清 武)

 

*・゜゚・*:. 琥珀から見た「ことのはな」誕生物語 .:*・゜゚・*

 

 

2021/12 奏身舎の冬至合宿に参加

 

シュタイナー教育に触れて得た気づきをCOSMOS映像作品に入れられないかと検討していた時に、たまたま渋谷先生のブログと奏身舎の活動を知り、2019年の冬至合宿に参加しようと連絡。しかしその時は参加見送り、結局2年経てCOSMOS映像作品完成後の2021/12に、どうしても参加したいと思いたち、既に決まっていたCOSMOS上映会のスケジュールを調整をしつつ合宿に初参加。

 合宿終了後に、オイリュトミーホールの漆喰の壁をスクリーンにしたら素晴らしい上映環境でCOSMOSをみてもらえると思い、渋谷先生に上映会を提案、快く承諾頂いて、同日鑑賞して頂く機会を得ることができた。

 

そのご縁から、ここで上映会とオイリュトミー講演のコラボをしましょうということで

2022/2/27 コラボイベントが実現。(この日はシュタイナーの誕生日?)

その時に、渋谷先生から紹介されたのが二十五絃箏の小澤千絵子さん。

 

2022/10/24-25  3人で何かプロジェクトを始めようということで奏身舎にて合宿。

ディスカッションを重ねながら、これまですすめられてきたオイリュトミーと二十五絃箏によるコラボを映像を通して伝えるというプロジェクトの概要が決定。渋谷智栄子、瑠璃(小澤千絵子)、近清武による”ことのはな”プロジェクトスタート。またテーマは、自我の再生物語として「地水火風」4曲に決定。

 

 

 

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🔵🟢 Ruli & Moegi history 

               

 

*・゜゚・*:. ことのはな誕生以前の瑠璃と萌黄の活動記録 .:*・゜゚・*

 

 

 

2019/11/23 オールソウルズデイat 那須・奏身舎にて、瑠璃、萌黄、初共演「火」・「水」 関連記事

 

2020/03/28 シタール・タブラ・二十五絃箏のユニット「nouvelle Muse」公演 「Golden Stream」に、ゲスト参加→チラシ表チラシ裏

 

2020/02/22 オールソウルズデイat 仙台・蓮台寺関連記事

 

2021/12/26 奏身舎クリスマスコンサートに参加

 

 

 

 

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🔵🟢🟠 Ruli , Moegi & Kohaku history

 

*・゜゚・*:. ことのはな誕生以前の瑠璃、萌黄、琥珀の3人での活動記録 .:*・゜゚・*

 

 

 

2022/02/27 近清武の映像「COSMOS」とのコラボイベント「闇から光へ」開催→関連記事1関連記事2関連記事3